専門家の「強み」の引き出し方⑥

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おはようございます!

「強みを引き出す」「強みを伸ばす」「強みを活かす」(社)日本専門家協会 理事の松下雅憲でございます。

私は、この協会で「強みを見つけて自分だけのセミナーに活かす」講座を担当しています。今日も、この「強み」について少しお話ししましょう。

「部下やスタッフやクライアントの『強み』を見つけたいのだけれど、なかなか見つけられない」とか、「『強み』の意味は理解したんだけれど、どうもそれがあるように見えてこない。」・・・そんな時はありませんか?

こんなときは、「強み」を見つける落とし穴に落ちてしまっている可能性があるのです。

今日はその内のひとつ「強みと弱みを一緒に評価してしまう」つまり「弱みを気にしてしまう落とし穴」をご紹介します。私たちは、人を見るときについつい「強み」だけではなく、むしろ「弱み」を見てしまいます。せっかく「強み」を見つけても、「弱み」の方が気になるのです。

企業経営においては、「強み」にフォーカスを当てて最大限に活かすことが成長のエネルギーとなります。しかし、多くの経営者は「強みを活かす」とか、「型破りな人材が欲しい」と言いながら、その人材の「弱み」が気になって、そちらの方を評価してしまうことが多いのです。

例えば、私の友人に、少し考えすぎと思えるくらいに慎重な人がいます。彼は、その慎重さが故に、どんな仕事をやっても、スタートにも、作業にも、仕上げ確認にも、時間が掛かります。しかし、ミスは全くありません。いつも非の打ち所の無い素晴らしい仕事をしています。彼の強みは明らかにその「慎重さ故の正確さ」でした。しかし、彼の会社の昇格を検討する評価会議では、彼は「仕事が遅い」「周りとのコミュニケーションが少ない」あげくに「表情が暗い」などとケチを付けられてしまい、仕事の成果そのものは全く評価されずにいました。これは、経営者が日頃、「強みを活かそう」とか「型破りな人材を管理職に起用する」などとは言いながら、結局は周りと比較して遜色の無い標準的なレベル、つまり「弱み」が目立たない人材を求めているんだなと私はいつも残念に思っていました。

「強み」とは決してそれ以外のことと合わせて評価するものでは無く、「強み」そのものにフォーカスを当てるべきものです。ましてや「弱み」などと一緒に評価しては何の意味もありません。その「強み」を活かし、それ以外の「弱み」をフォローする方法を考え対処するのが、経営者のあるべき行動指針です。

多くの会社で現実の存在するこの悲しい事実・・・・せっかくの「強み」を埋没させないためにも、「強みと弱みを一緒に評価してしまう」という落とし穴には落ちないようにしたいですね。

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